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アイルランド伝統音楽を奏でる楽器たち

全員参加が原則のアイルランド伝統音楽です、こちらにご紹介の楽器は一部といっても過言ではありません、音がでればひとまず参加できる訳ですが、そこはマナーを守って、迷惑にならないようにしましょう。(で、自分はどうなのだろう?とやや悩む昨今です)

アコーディオン
accordion

写真はピアノ・アコーディオン

アコーディオンが伝統音楽の演奏に用いられ始めたのは1920年代の終わりらしく、当時はフィドル弾きを嫌がらせたらしいが、今では必要不可欠な伝統音楽の中軸だ。アイルランドのアコーディオンは一般的なピアノアコーディオンはなくボタン式のものが主流のようだ。

メローディオン
melodeon

ボタンが一列しかないアコーディオンではあるが、アコーディオンの生まれる基になったものだそうだ。ドスのきいた押の強い音で、それに魅せられ、こだわるプレーヤーもいるようだ、私は見たことはないです。

コンサーティーナ
cocertina

正式にはアングロ・コンサーティーナというらしい。1860年頃にこの地に伝わってきたらしい(発祥は不明)。当時から女性に人気があり、六角形が一般で、ボタン・アコーディオンと同じく、押したときで音の高さが違う(アイルランド西部のクレア地方と結びつきが深いようだ)、ちなみにイングリッシュ・コンサーティーナは六角形と八角形があるようで、押しても引いても音の高さはかわらないようです。

フィドル
fiddle


my fiddle
photo

ずばり、ヴァイオリンです!が、フィドルです(ややこしい!?)では何が違うのか?というとヴァイオリン奏者が演奏した時はヴァイオリン、フィドル奏者(フィドラー)が演奏した時はフィドル...一瞬にして名前を変えてしまいます。別の言い方ですと、譜面にかかれた音楽を分析解釈して演奏するのがヴァイオリン弾きならば、楽譜でなく耳から曲を覚えるのがフィドル弾き...といういう事になります。(もちろん楽譜を読めるフィドラーも多数おられます) 「屋根の上のヴァイオリン弾き」も原題は[fiddler on the roof]です。では、「フィドル」の意味ですが・・・あまり好ましい意味ではなく、「いんちき」「くだらない」他多数の意味あり(腹立たしい感がありますが、あまりにもすごいので笑ってしまいます、詳しく知りたい方は辞書で調べてみてね)、で、「ヴァイオリン」の意味は・・・(イタリア語・ヴィオリーノ)で「頼りになる部下」とか。

ホィッスル
whistle

またの名を「ティン・ホィッスル」という。最近はプラスティック製や木製などあるが、もともとはブリキ(ティン)ででけていた事に由来する。オモチャっぽくも見えますが、どっこい、名人にかかるととんでもなくすばらしい響きを奏でる。

フルート
flute

木製のフルートを使うのが一般的なようだ。金属製ではできない芸当(ビブラートをつけたり)が可能で、ヨーロッパでは使われなくなった18世紀の響きを今に伝えているらしい。ちなみに左利きの奏者(フルーター)が多いとか・・・。

イリアン・パイプス
uilleann pipes

イリアンとはアイルランド語で「肘/ひじ」の意。7年の地道な練習とさらに7年の実地が必要といわれる手作りで、高価な楽器(時には楽器について7年、曲について7年、音楽について7年の計21年が必要。との諺もあるらしい)。アイルランドではバグパイプとは呼ばない。基本的には座ったままで演奏する。映像的にはチーフテンズのパディ・モローニの演奏を見かける事が多い。

ハープ
harp

アイルランド国家の紋章として、コインや紙幣、ギネスビールのラベルなどにも描かれている楽器。美しい女性が奏でるというイメージがあります。が、チーフテンズの故デレク・ベルの演奏も、これまた素敵なのです。カウンティー・ロスコモンには、アイルランドの誇る大作曲家でハープ奏者「オキャロラン」の墓があります。

バゥロン
bodhran

バゥロンとは「他の音をかき消す」の意。簡単にいえば「太鼓」ですが、これがくせ者。マナーを守らないととんだ迷惑な音の洪水となり、敬遠される。

マウス・オルガン/
ハーモニカ
mouth organ

特に指定されている種類などはわからないが、一般的なハーモニカだと思われる、アイルランド音楽で演奏しているところはまだ聴いたことがない。けど、音楽の国です、たぶん超達人がおられるのでしょう。

マンドリン/
mandolin

バンジョー
banjo

マンドリンはフィドルと同じ調弦で、基本は低い方から「ソレラミ」です。日本では戦後の学校教育で推奨されたのか?マンドリンクラブなど多数あります。普通バンジョーといえばは5弦タイプの事をいいます(調弦は5弦から「G-D-G-B-D」)が、ほかに4弦タイプなど多種あるようです。かなり重いです。

ギター
guitar

ブズーキ
bouzouki

こちらは調弦も弦の数も異なる、ギターはみなさんご存じの通りですが、ブズーキはギリシャから入ってきたものですが、今や定番。かわいた「カリ〜ン」という感じの音が、それはそれはビューティフル〜です。

ピアノ
piano

弾き方は様々、お好きな感じで弾いてもらえればok!
ケーリーの時は「電気ピアノ」(エレピ)が使われる事が多いようです。

ハープシコード
harpsichord

バロック音楽(バッハ/ヘンデル)の時代に使われていた鍵盤楽器。「クラブサン(仏)」「チェンバロ(伊)」と呼ばれる楽器です。最近では電気ピアノのハープシコードで代用される事が多い。

スプーンズ
spoons

スプーンです。ふたつ持つからスプーンズと複数形になります。カチカチとカスタネットのように打ち合わせて音を出します。が、高等テクニックなどを駆使する場合があるようだが、マナーを守らないとバカバカしく、存在を否定される事もあるらしい。

ボーンズ
bones

骨です。牛のろっ骨から作られることもあるようですが、木製もあるようです。両手で持ったり、また演奏しながら踊ったりする事もあるとか。

トライアングル
triangle

アイルランドでは一般的ではないらしいが、音楽大国、今後の展開がどうなるか?予想できない。

コインズ
coins

コインです。テーブルなどを叩いて音を出す。「スプーンズ」「ホイッスル」と安い楽器のトップスリー。

ドラムズ
drums

ケーリーバンドではコレが登場するが、ドラムセットのような大掛かりなものでなくスネア/ベース(バスドラ)/ウッドブロックというシンプルなセット。牧歌的で脳天気な雰囲気を出すが、必要不可欠な重要アイテムで、名人は手の上でダンサーを踊らせるような感覚のようだ。

リルティング
lilting

これは楽器ではなく、口三味線です。ケーリーの際など、演奏家が飲み過ぎて演奏できなくなった時など、この「リルティング」でダンサーを踊らせることもあるようだ。時には笑い転げるほどの激しさもあるようで、体験したいもです。