◎ 上桟敷席(2階)
2階桟敷のうち、東西の上桟敷は2段になっているが、東上桟敷のみは枡席となり、半間おきに仕切棒落とし込むための堀込みが残っている。枡の大きさは約900@×約1.300@である。
舞台正面の向こう桟敷は、前船、中船、後船の3段に分かれ、後船へは2階歩廊よりさらに小階段であがることになる。
前船東側の隅からは、天井裏へ上がって外部正面の櫓(やぐら)へ抜ける、簡単な通路が設けられている。
2階桟敷の張り出し部前面3方には、朱漆塗りの手摺勾欄がめぐらされ、その直後の桟敷との間には、もう一重の低い仕切手摺がある。
東西上桟敷の背後は歩廊となり、その間の仕切には舞良戸が立てられていたらしいが、現在では取除かれている。
又東、西上桟敷前正面上部は天井から垂れ壁が下がっているが、それぞれ7コマに分割され、平土間上部前面の格天井や、舞台前面のプロセニアム上部垂れ壁と同様、格子組の間には広告パネルがはめ込まれ、一枚一枚が丹念に彩色されて、客席全体の雰囲気を華やいだものに盛り上げている点、非常に効果的である。
中央の劇場には見られない特異な様相を呈しているのが、八千代座の特色のひとつである。
熊本大学工業建築学教室
福原昌明研究室 調査報告書より抜粋
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